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2023/08/09 11:00


大型犬は、体が大きくなるにつれ食事についても気を付けなくてはいけないことも増えていきます。
大型犬は活発で運動量も多いため、間接にかかる負担も大きく、その対策を食事に取り入れていくことが大切です。
一言に大型犬といっても種類がありますが、まずはどんな栄養が必要なのか、ドッグフードを選ぶうえでのポイントも含め解説します。


大型犬の特徴と必要な栄養素

まずは、大型犬ならではの特徴や栄養ニーズについて詳しく説明します。


大型犬のサイズと活動レベル

大型犬とは、多少の違いこそありますが、成犬時の体重が25㎏以上が目安となります。
もともと狩猟犬や牧羊犬として働いていた犬種がほとんどです。
活動的で好奇心旺盛、運動量も多く毎日のお散歩も1日2回、60分~90分程度が推奨されています。

小型犬と比較すると倍以上の時間を歩くことになるので、活動レベルも増えていきます。運動不足は犬の健康にも影響するため、毎日の運動は欠かせません。


栄養バランスの重要性と影響

大型犬の大きな体を健康的に維持するためにも、日々の食事からとれる栄養は重要です。
なかでも、良質な動物性たんぱく質は、筋力の低下を防ぎます。体を動かすもとになるのはタンパク質になり、体温調整や被毛の健康維持を保つためにも重要な栄養素として知られています。
他にも、体重管理が重要な大型犬は高たんぱくしつや高脂肪は避ける必要があります。ひざや関節に負担がかかりやすいため、骨のケアもできるような栄養も考えていきましょう。


大型犬に必要な栄養素の一般的な要件

大型犬に必要な栄養素として、たんぱく質の保有量は18~25%程度のものが望ましいとされています。
大きな体からは意外かもしれませんが、消化器官がデリケートなので、たんぱく質を取りすぎてしまうと、胃捻転などの病気や下痢を起こしてしまいます。脂質量の目安も20%以下に押さえ、油分や脂質が多すぎることのないように注意しましょう。


安心で安全なドッグフードの選び方


大型犬向けの安心で安全なドッグフードの選び方を紹介します。
毎日食べるものだからこそ、犬の体を作る資本となるものです。元気でいてほしいと思っているからこそ、ドッグフード選びは重要になります。大型犬ならではの安心できるドッグフードの選び方です。

大型犬の健康維持に重要なドッグフードの特徴と利点の紹介
大型犬の健康維持のためのドッグフードの特徴や利点を紹介します。

・カロリーが多すぎないもの
大型犬の消費カロリーは、小型犬や中型犬よりも少なめです。
1日の活動量が少ないのもあり、カロリーの高いドッグフードは向きません。
大型犬用のドッグフードは肥満になり、関節に負担がかからないように、低カロリーのものをよく見かけます。目安として300カロリー程度(100g)にすると、過度に摂りすぎてしまう心配もなくなります。

・良質なたんぱく質が使われている
大型犬向けのドッグフードのなかには、原材料の部分に「肉類」などの総称で書かれているものもあります。良質なたんぱく質を必要とするため、どんな肉を使っているのかわかるものを選ぶ必要があります。

例えば、チキンやターキー、ビーフなどの肉も喜びます。また、体内で製造できないオメガ脂肪酸(3・6)が含まれているドッグフードがおすすめです。

・コスパの良さも考える
大型犬は食べる量が多く、毎日大量のドッグフードを消費します。小型犬の3倍ともいわれていますので、続けられるかどうかも考えていきましょう。安いものに限らず、栄養バランスに優れたドッグフードを選ぶこと。

バランスがよいものを選ぶことも大切です。フードの量は犬の体重に比例して多くなっていくので、大型犬になるとその分必要なドッグフードの量も増えていきます。


ドッグフードの品質と安全性の確認方法の具体的な解説
ドッグフードの品質を確認するためには、原材料に目を向ける必要があります。

・表示内容を確認する
例えば肉類の含有量は全体の何%程度になるのかも調べておきたいものです。
なかには主原料に穀物を使っているドッグフードもあり、カサを増すために使われています。

また、ドッグフードのなかに、添加物(酸化防止剤や保存料)が使われているもの、動物性油脂が入っていると脂肪がつきやすくなります。ドッグフードの表示を確認してみて、問題ないか見てから選ぶようにしておきましょう。

・義務化した表示があるか確認する
ペットフード安全法によって義務付けられた表示基準があります。
健康被害を防ぐために「名称」「賞味期限」「原材料名」「原産国」「事業者」の住所などの義務化が行われているため、安心して食べさせられるドッグフードか確認するときにも役立ちます。

他にも、目的や内容量、給与方法や成分についても表示するようになっています。配合量の多いものから順番に並んでいますので、先頭から3つまでを見れば何がメインになっているドッグフードかがわかると思います。

信頼できる製造会社やブランドの選び方のポイント
ドッグフードを製造している会社が信頼できるか選ぶポイントです。

・GMP認証や、ISO規格に適合しているかどうか
・国内で安全な食品製造施設で作られていうかどうか
・品質管理や検査を定期的に行っているかどうか
・賞味期限が異常に長い、添加物を多く含んでいないか
・安価すぎるドッグフードではないか

など、ドッグフードを製造している場所の管理や価格面なども選ぶ時のポイントにしておきましょう。
ドッグフードには明確な基準がないものもありますので、安全な会社(ブランド)のものかをしっかりと検討しておきましょう。

大型犬の個別のニーズに合った選択


大型犬ならではのそれぞれのニーズに合わせた、ドッグフード選びも重要になってきます。
具体的にどんな点に注意したらいいのか選択方法について説明したいと思います。

成長期、成犬、高齢犬などの大型犬の個別の栄養要件の理解
大型犬でも成長期の子犬と、成犬、高齢犬によっても必要な栄養素の違いがあります。

・成長期小型犬
大型犬は成長期が2年ほどあると言われており、他の犬よりも長めです。
成長期は、体がどんどん大きくなりますし、気管の機能が急激に発達していきます。エネルギー量も必要になるので、効率的に栄養がとれるものになっています。

最もたんぱく質を必要とする時期になり、22.5%以上、脂質8.5%以上を取らなくてはいけません。
他にも骨の成長をサポートするカルシウムやリンの入っているものがおすすめです。一度に食べられる量も決まっているので、食事の回数を増やして調整しましょう。

・成犬
犬の成長が落ち着き、成犬になってからは、18%のたんぱく質を必要とします。
脂質は成長期の頃よりも少ない5.5%程度、さらに関節のケアができる成分が含まれているものを選ぶようにしましょう。主にコンドロイチンやグルコサミンです。成長期用のドッグフードにしてしまうと、カロリーオーバーになりますので、成犬用を選ぶようにしましょう。

・高齢犬
たんぱく質や脂質は成犬と変わりませんが、心臓の働きをサポートするオメガ脂肪酸が含まれたドッグフードを取り入れるのがおすすめです。
大型犬用のドッグフードのなかに“シニア用”と書かれているものがあります。高齢犬に必要な栄養素を補えるものですので、コントロールしやすくなる意味でもおすすめです。

骨や関節の健康、筋肉の維持に対応したフードの選択方法の具体的な解説
大型犬の場合、関節にかかる負担が増えやすくなります。
そのため、食事のなかに、関節に効果があると言われている「コンドロイチン」や「グルコサミン」、「メチルスルフォニルメタン(MSM)」が含まれたものを選ぶことがおすすめです。

グルコサミンは軟骨に欠かせないものです。コンドロイチンは、グルコサミンと一緒にとることで、軟骨のクッションや柔軟性を高めます。MSMは、アミノ酸の構成要素の一つになり、コラーゲンの精製を補助し関節痛を和らげるといわれています。
ドッグフードのなかに入っていないときは、サプリメントを使って補いましょう。

ドッグフードの選択と評価に役立つ情報源


大型犬のドッグフード選びに迷ったときの方法をまとめてみました。

専門家の意見やアドバイスを活用する方法
大型犬にとって毎日の食事は重要です。ドッグフードや表示を見てもどれがいいのか決められないときは、専門家に相談するのもおすすめです。
特に、日本ではドッグフードの原材料表記の表現を統一していないため、なかには食用にできない部位を使ったフードが紛れている可能性も考えられます。

そのため、かかりつけの病院で愛犬に適したドッグフードを相談みてもいいと思います。同じ犬種でも体型や体の状態は違います。アドバイスを活用しつつ、適した安全性の高いドッグフードを選びましょう。

ドッグフードレビューサイトやオンラインコミュニティの活用法
ドッグフード選びでは、レビューサイトやオンラインコミュニティを使い実際に取り入れている人の声を参考にする方法もあります。

犬の食いつきはどうか、食べにくそうにしていないかなど、同じようなお悩みを持っている人のレビューを見つけることもできます。また、購入したものの食べてくれなかったときの工夫など、役に立つ情報がたくさんあるからこそ、活用するのがおすすめです。

ドッグフードの導入と注意事項

大型犬のドッグフードを導入するときの注意点を紹介します。

ドッグフードの切り替え時の注意点とスムーズな導入方法の解説
大型犬のドッグフードの切り替えは、主にライフステージの変化もしくは年齢によって活動に近いが出てきたタイミングになります。
また、避妊(去勢)や病気の治療や予防を目的に、食事指導を受け切り替えるケースも少なくありません。

いきなり新しいドッグフードに切り替えはやめましょう。犬の食いつきが良くてもお腹を下して調子を崩してしまうこともあります。また、失敗すると切り替え後、一切食べなくなってしまうこともあります。

食事量の調整と給与方法のポイント
ドッグフードを切り替えるときは、まずは1割の量から始めてみて様子を見ます。食いつきや下痢など体調を崩していないのを確認して、2割の量に増やしていきます。焦らず10日前後の時間をかけて、新しいドッグフードの量を増やしていきましょう。

もし下痢になってしまったときは、状態によって胃腸を休ませてあげること。以前のドッグフードに戻し回復したあとに再度挑戦していく流れです。

犬の健康管理と定期的なフードの見直し


犬の健康管理のためにも、定期的なフードの見直しを忘れずに行いましょう。

犬の健康状態の観察とフードの見直しの重要性の説明
犬の健康状態を確認しつつ、必要な栄養を補うためにも定期的な見直しは欠かせません。
総合栄養食であるドッグフードですが、なかに使用されている原料は様々です。同じドッグフードだけだと栄養が偏ってしまいます。また、アレルギーの予防にも繋がるといわれていますので、犬の健康状態も含め定期的に見直すようにしていきましょう。

適切な栄養バランスの維持と定期的なフードチェックの推奨
ドッグフードは、今の年齢に足りた栄養素が補えているのか確認すること、状態も含め確認しておくのがおすすめです。
ドッグフードの改良によって今までとは違った肉の種類が含まれていないか、違う原材料が入っていないかもチェックしておきましょう。

まとめ


大型犬にとって、健康な体を維持するためにも安心で安全なドッグフードを選ぶ必要があります。
大型犬ならではの活動レベルや必要な栄養素に目を向けつつ、ライフステージに合わせて必要な栄養を補えるものを選んでいきましょう。

成長期は良質なたんぱく質の量も多く必要になりますし、成犬や高齢犬になると関節ケアのためのコンドロイチンやグルコサミンなどの栄養も摂取していかなくてはいけません。

ドッグフードを製造する過程で、安全性の高い工場にて作られているのかどうか、また検査も定期的に行われているのかなども確認しておきたいところです。ドッグフードには明確な基準がないので、なかには粗悪な原材料や工場で作られているものもあります。
賞味期限の長いものは添加物が入っている可能性もあります。

犬との時間はとても有意義なものですし、たくさんの幸せを与えてくれます。家族である愛犬のためにも、ドッグフードの質にこだわっていきたいものですね。