BLOG
2023/11/12 17:08
愛犬の健康を維持するためにも、歯磨きは欠かせません。なかでも犬の口腔内の病気で最も多いのが「歯周病」だと言われています。
犬は人間以上に、歯周病のリスクはあるため、歯磨きは毎日行うべきかどうか、悩んでいる飼い主さんといると思います。ただ、犬のなかには歯磨きを嫌がるケースも少なくありません。
愛犬の歯磨きに悩んでいる人向けに、頻度や正しいやり方についても、詳しく説明していきたいと思います。
愛犬の歯磨きは毎日必要?
愛犬の歯磨きで覚えておきたい基本を押さえておきましょう。
・歯磨きの頻度はできれば毎日
愛犬の歯磨きの頻度は、毎日ではなくとも2日~3日に1回は行う必要があります。
できることなら毎日だと言われていますが、実際には難しい飼い主さんもいると思います。また、1日で全部の歯を磨こうとするのではなく、3日間かけて全部の歯のケアをするくらいのペースでも問題ないと思います。
毎日少しずつ歯磨きを続けていくようにしましょう。
・子犬は歯磨きに慣れさせること
子犬のうちから歯磨きをスタートさせるべきか迷っている飼い主さんもいるかもしれません。
子犬のうちは、乳歯が生えた時期を目安に2日に1回のペースで歯磨きをします。
最初から歯ブラシを使って磨こうとせず、口のなかに指を入れる練習から行います。子犬の段階で歯石が溜まることはないのですが、成犬になっていきなり始めるよりもスムーズにできるので、慣らしていくことが大切です。
犬はどうして歯磨きが必要?
犬はどうしてどうして歯磨きが必要だと言われているのか、詳しく説明します。
・歯石になるタイミングが早い
犬は人間よりも、歯垢が歯石に変わるタイミングが早いと言われています。
そのため人間が25日前後で変わるのに対して、犬は個体差こそありますが約3日前後で歯石になります。歯石は歯周ポケットのなかに付着すると、歯茎の炎症が起こり赤く腫れていき歯周病の原因となります。
一度、歯石がついてしまうと、日常的な歯磨きでは取り除けなくなってしまいます。そのため、動物病院で全身麻酔をかけスケーリングで取り除く施術が必要になるのです。全身麻酔は犬にとってもリスクになるため、毎日の歯磨きで予防することが欠かせません。
・犬にとって歯周病は大きなリスクになる
3歳以上の犬の8割は歯周病やその予備軍であると言われています。
もともと犬の口腔内はアルカリ性になるため、歯周病になりやすい環境です。この歯周病の原因となっているのが歯垢になり、細菌が繁殖し粘々した状態になります。
さらに、唾液のなかにあるカルシウムが加わり石灰化したものを歯石といいます。
歯周病になると、歯周病だけでなく歯が抜けてしまうリスクや、内臓に悪影響を与える可能性もあります。犬にとって歯周病がいかに大きなリスクになるのかが分かってもらえるのではないでしょうか。
犬の歯磨きの正しいやり方
犬の歯磨きに苦戦している飼い主さんも多いと思います。まずは、正しい歯磨きのやり方について、今一度見直してみましょう。
歯磨きをしているつもりになっていて、歯の汚れがきちんと落とせていないケースもあるかもしれません。歯磨きは正しく行うことが大切です。
1. まずは犬を落ち着かせ座らせる
2. 犬用の歯ブラシを軽く握る
3. 斜め45度を意識し歯と歯茎の境目にブラシをあてる
4. 歯に対して横方向に小刻みに動かす
5. 奥歯(臼歯)は、口の横をめくって磨く
この手順で歯磨きを進めていきます。
歯磨きは歯を磨くのではなく、歯茎のなかにある汚れを取り除くようなイメージで行うようにしましょう。
この部分に歯垢が溜まり歯石となってしまう部分です。歯だけを磨いていても、汚れは取り除けません。また、強く歯磨きを動かないようにすること。犬にとっても負担になりますし、強くこすったからといって落ちるわけではありません。優しく磨いてあげるようにしましょう。
愛犬の歯磨きをするうえで覚えておきたいポイント
犬の歯磨きをするうえでいくつか注意点があります。
①無理に固定して行わないこと
犬にとっても固定されて歯磨きを行うのが苦手なケースが多いようです。
そのため、無理に固定して歯磨きをしても、犬のなかにはトラウマになってしまうケースもあります。犬にとっても歯磨きは怖いものでないと教えるためにも、無理に固定して行うのはおすすめしません。
まずはスキンシップの回数を増やし、口周りを触れても問題ないようにしていきましょう。歯磨きも最初は磨きやすい前歯の部分から行い、慣れてきたら奥歯も口を持ち上げてできるようにしていきます。無理なく触れられるようにしていきましょう。
②犬が好きなデンタルケア用品をそろえる
愛犬の歯磨きをスムーズに行うために、デンタルケア用品を工夫する方法もあります。
例えばデンタルジェルを選ぶ時に、少し甘みを感じるものや愛犬の好みのものに変える方法もあります。
また、犬用歯ブラシにも種類があるので、硬めのものだと嫌がってしまうときは軟らかく磨きやすいものに変えるのもおすすめです。いきなり歯ブラシを使うのが難しいときは、歯磨きシートを使ってこすり磨きをするのもおすすめです。
その場合は、指にシートを巻き付けて、奥歯から前歯に向かってこすります。犬によっても違いますが、嫌がる様子がないときは、奥歯もしっかりとこすり汚れを落とすようにしましょう。
特に犬の場合、歯磨きをしたあとに口のなかをゆすげないので、そのまま体に入っても問題ないものを選ぶようにすると安心です。なかにどんな成分が含まれているのかを確認しておき、犬用のものを使うようにしてください。
③慣らしていきできたら褒めること
犬によっては、歯磨きは嫌な気持ちになることですが、飼い主として歯磨きの大切さを教えていきたいと考えているのではないでしょうか。歯磨きを覚えてもらうためには、我慢できたら思いっきり褒めてあげることです。
歯に嬉しい成分の入っているおやつを事前に用意しておき、できたときはご褒美として与えるようにしましょう。
「歯磨きしたのにおやつは・・・」と思う飼い主さんもいると思いますが、まずは毎日歯磨きを嫌がらずにできるようにすることが大切です。ご褒美がもらえると思えば、歯磨きもスムーズにできるようになります。
犬が歯磨きを嫌がるときの対処法
犬が歯磨きを嫌がるときは、磨くタイミングを工夫してみるのもおすすめです。
犬の性格にもよりますが、元気いっぱいでおとなしくしているのが苦手な犬もいます。遊ぶと興奮してしまい走り回ってしまう犬の場合、落ち着くタイミングを狙うようにしましょう。
落ち着いてのんびり休んでいるときに歯磨きをするのもいいですし、お散歩で思いっきり体を動かしたあとはストレスも解消され大人しくなります。歯磨きを嫌がる犬の場合、タイミング次第でスムーズにできることもあるので、様子を見て決めるようにしましょう。
犬の歯磨きの頻度と方法についてのまとめ
愛犬の歯磨きは、歯周病を予防し健康な歯を守るためにも欠かせません。
ただ、歯磨きに慣れていない犬に、いきなり歯磨きをさせようとしても、嫌がってしまい思うようにできないものです。
歯磨きがトラウマにならないように無理に磨こうとしないこと、できたときは思いっきり褒めてご褒美を用意しておきましょう。歯磨きをするとご褒美がもらえると覚えてもらうことが大切です。それでも嫌がってしまうときは、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。